スク玉ブログ

弟子・藤井聡太の学び方(改)

さんなんです。ちょうど2年前、たまたまご縁をいただきまして将棋界最少年棋士・藤井聡太さんの師匠である杉本昌隆7段(当時、現在は8段)の講演会に行ってきました。生まれて初めて現役のトップ棋士を目の当たりにして、少々テンションが上がった当時のブログを修正・加筆してお届けします。
 


祖父江市で行われた講演会。講演テーマは「弟子・藤井聡太の学び方」です。
藤井聡太さんは現在2冠獲得という快進撃中!彼を育てた杉本昌隆7段から、家庭教育講座としてパワーポイントを使いながら「集中力」「自分で考え抜く力」を養うにはどうしたらよいのか、を学びます。未だ将棋ブームの今日、TVや講演に多忙の藤井聡太の師匠・杉本7段の講演内容をまとめました。



勉強を指導する立場にある私にとって、とても共感できる話が多くありました。以下、話の項目と杉本7段の持論です。
 


■杉本7段の弟子との接し方(共感〇)
・人は人を育てられない
・人は勝手に育つ
・自分で真理を見つける
将棋の世界というものは真理を追究していくもの。将棋界トップに君臨する羽生善治竜王ですら100のうち1~2しか将棋のことはわからないと言っているようだ。実の私も将棋のことはほとんどわかっていない。そんな私が、人に将棋を教えることはできない。
 
 

■弟子への指導(共感〇)
・頑張れば成功する局面に誘導する
・学校の勉強が1番大事
・1番優秀な弟子より2番目、3番目を意識している
指導者が自分の考えを押し付けるのではなく、学ぶ側の考えや自主性を重んじるべきだと考えている。指導中は、教えるのではなく後ろから見守ることを常に意識している。
 

 
■藤井聡太の棋風
・小学生の頃からイイ手を見つけることができていた
・二次元でなく三次元で将棋盤をみつめているのか斜め攻めが多い(角、桂の使い方が上手)
・相手のミスを期待せず、自分の最善にこだわる
藤井聡太は、普段は無口。しかし「この局面は、あなたならどうする?」と聞くと自分の意見を言うタイプ。だから、研究会ではあえて頼ることで自信や自主性を身につけれるように意識した。

大穴狙いの手を指すこともあったが、手堅く指す将棋をあえて教えず本人の持っているイメージには口を出さないようにした。見守ることも大切な指導。
 

 
■親の勘違い(共感◎)
「すごい強い人が毎日指導するから強くなる」と思っている方もいるが、それは違う。指導者が良かれと思って指導することが反対に良くないこともある。


研究会でお互いの競争意識を高め、弟子が師匠にでも意見を言いやすい雰囲気を作ってやることが自分にできること。そして、本人が持っている個性を武器にできるようにするのが一流の指導者である。
 

藤井聡太はその環境の中で、自らの柔軟な発想に加え、AIも研究に取り入れることで学業と棋士を両立しながらも強くなった。また、彼は自分と違うタイプや昔の棋譜も研究するときがある。たとえ必要ないものでもやってみることも大切であると彼は考えているのだと思う。
 


 
■指導者の言っていることを鵜呑みにしない弟子が伸びる(共感〇)
研究会で師匠が先に帰るとき、わざわざ自分の研究を止めてまで見送りに来る弟子もいる。しかし、そんな弟子こそ伸び悩むもの。何かに没頭しているときは、師匠が帰るときでも自分の研究を優先するぐらいがちょうどいい。
 

もちろん礼儀は大事なことだ。しかし、大人が思っているいわゆる「いい子」過ぎる必要はない。強くなるためには、少しでも研究時間を取るべき。私は普段から弟子たちにもそう伝えている。

 
 
■指導者は世代間の違いを前提に柔軟さを持つべき(共感〇)
棋士は対局は師匠弟子の関係でも対局前は集中するため他の人とは話さないのが普通。しかし、対局前の昼食中に藤井聡太が「先生、お聞きしたいことがあるので少しお時間よろしいですか?」と真剣なまなざしで聞いてきた。その内容とは。
 

「とろろざるそばは、とろろをつゆに入れるのですか?つゆをとろろに入れるのですか?」


「(どっちでもいいと正直思ったが、、、)自分で考え、信じた方でいいと思うよ。私ならつゆをとろろに入れるけどね。」
 
大人ではどうでもいいことを悩むのが子供。また、大事な対局前なのに自分では信じられない行動。でも、そんなことでも受け入れていかないと弟子はついてこない。ちなみに、彼はとろろをつゆに入れて食べていた(笑)。
 

 
■杉本7段に直接聞いてみた「将棋がうまくなる練習方法」(共感〇)
・詰将棋
・人と対局する(ネット将棋)
・専門書を読む
練習には合う、合わないがある。大事なことは「楽しみながら学ぶ」ことだ。


例えば、算数が好きな子は、詰将棋みたいに答えがあるものが好きな子が多い。反対に、美術みたいに答えがないものが好きな子は、人と対局する方が合うかもしれない。その子が将棋が楽しいと思えるような練習があると思うので、それを自分で見つけて練習を続けていくと強くなるのではないだろうか。
 

あと、おじいちゃん、お父さんが将棋を指せるのならば、あまり強すぎない方がよい。わざと負ける必要はないが、頑張れば成功する局面に誘導できるならばギリギリの局面を作ってやって欲しい。
 
 
以上になります。本日は、杉本7段の講演会「弟子・藤井聡太の学び」の報告をさせていただいました。


「人は人を育てることはできない」
「自信と自主性を身につけさせる為に、見守ることも大切」
「上達するためにいろいろなことをやってみる」
などなど、共感できる話ばかりで嬉しかったです。



あの時、誘っていただいたK様。ありがとうございました!(^^)!この考え方は、何度見ても共感ができるものなので、再掲載させていただきました。また明日(*^^)v。




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